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【ベストの余白】

【ベストの余白】

T.K

 

 

こんにちは。

 

ローマの休日のような既視感のあるタイトルになりました。

 

街はすっかり秋ムード。を通り越し、

冬ムードに差し掛かりましたが、いかがお過ごしでしょうか。

 

店内では、各ブランドから入荷ラッシュで、

今シーズン一番の盛り上がりどころのラインナップが揃い踏みです。

 

今回は、タイトルの通りベストのご紹介と、

ベストの持つ可能性についてのお話です。

 

そして、余白については、最後までご一読頂けましたらと思います。

 

(少々、長めな文章になってしまいましたので、

都度目を休めてお読み頂けましたら幸いです。)

 

 

 

 

 

 

一見すると、ポケットがついていないボアフリースベスト。(左内にポケット付いてます。)

 

 

 

 

 

ですが、このミニマルな仕様が

CAMIELの普通ではない所業を

しれっと、あたかも普通らしく落とし込んでいます。

 

 

 

 

通常、ベストを作るパターンの数が必要なのは少なくても、

前見頃×2枚 + 後見頃×1枚 =合計3パーツですが、

こちらのベストは肩の縫い目を展開すると1つのパーツのみで制作をしている為、

サイドシームが存在しない、かなりマニアックな仕様で、

ニットでいうところの、ホールガーメントニットのような手法をとっています。

(裏地のキャンバス地も同じことやってます。。

 

 

 

 

ベストにここまでするのかというくらいの、技術力の高さと新しい価値観は

まさに既存の洋服の作り方に捉われない、某メゾンのような概念を彷彿させています。

 

 

 

そして、元よりアウトドアに用いられるマテリアルであるボアフリースに対して、

フロントジップはYKKの煌びやかなジッパーをレイアウト。

 

CAMIELでは、お馴染みの挑戦的手法で、

マテリアルが変わるだけで印象がガラリと変わります。

 

 

 

 

 

 

アウターの中に差し込むだけで、防寒性は最高クラスで、

インナーとして仕込むことにより、

フロントのメタルジッパーがアクセサリーのような見え方として機能します。

 

 

決して表面的で一過性のデザインとして見せない姿勢と、

噛めば噛むほど、見えてくるものがあるベスト。

 

 

 

 

 

そして、このニュートラルなデザインとその製作に対する姿勢は、

流行に左右されず廃れないからこその、プライスゾーンです。

 

 

洋服好きには堪らないベストです。

 

 

 

 

ライムグリーンのような、ピスタチオのような、

ヨーダのような、ピッコロのような、

 

なんとも言えない絶妙なグリーンのベストが入荷してきました。

 

 

そして、こちらもボアベスト同様に、サイドシーム無し。

まったく職人泣かせな一着です。

 

表面はスムースな質感のポリアミド100%。

 

 

テックじゃないと実現出来ない

色出しや独特な艶感と手触りが

なんだか新種の生物に触れたかの様な、不思議な気分。

 

そして、中綿には環境へ配慮された

リサイクルペットボトルのポリエステル100%。

 

従来の中綿ポリエステルに比べても(CO2を排出しない工程なので、現状原価は高いみたいです。)

クオリティはほぼ同等なので、

"中綿が入っているあったかいベスト"の認識で宜しいかと思います。

 

 

便利な段差付きのポケット。(CAMIEL十八番のディテールです。)

ワイドポケットで、缶ビールや雑誌とかも入るマガジンポケットの様なサイズ感で、

冬場の街中へ繰り出す際にも一役買ってくれそうです。

 

 

 

そして背面のタックは、

これでもかというくらいの隠し芸を披露してくれる

一種のファンサービスの様にも見て取れます。

 

 

フロントジップの配色センスも抜群で、

グリーンラインのファスナーを溶け込ませることにより

とことん統一感を出した、粋な計らい。

 

 

保温性はボアベストと同格で、

デザイン性も高い、今期のCAMIELを代表するプロダクト。

 

 

 

皆様のクローゼットにもまだ無いカラーパレットかと思いますので、

シャツやニットに、バサっと乗っけてもらったり、

アウターの差し色としても完璧です。

 

 

とっておきのアウターを脱いだら、

さらにまた、セカンドインパクトを起こせる様な

ただただ着たくなってしまう訴求力の高いベストです。

 

 

 

 

「余白」

 

 

日々の生活を営む上での心の余白。

人に物事を提案をするときの余白。

制作物に対するデザイン的な余白。

アウターとニットの狭間の余白。

 

 

何気なく日常を過ごしている中で、

意図的に、はたまた偶発的に

ありとあらゆる場所、モノ、コトに余白は宿っています。

 

 

余白という言葉自体、曖昧さと機転の良さを孕ませた言葉であり、

その言葉本来の意味を用いるよりかは、

実際はメタファー的用語として多用されることがある傾向に感じます。

 

 

先に述べた通り、

それぞれの余白は、

生活における意図的な心理的距離、

提案をする際の意図的な選択権、

制作物に対しての意図的なデザイン思考や志向。

アウターからニットまでの偶発的な物理的距離。

と解せます。

 

 

全て余白ですが、

本来の「余白」という言葉のみが表しているのは、

最後の物理的な物を示す事柄だと思います。

 

 

そして、「余白」の意味として

もう一つ大事な意味合いがあります。

 

 

それは、「他の何かに変容する事の出来る可能性や余裕」という意味合いです。

 

 

余白という言葉が持つ、

二つの本来の意味合いを組み合わせた

「物理的距離の狭間で、他の何かに変容する事の出来る可能性や余裕」

を今回考えたところ、

「ベスト」に辿り着きました。

 

 

ご紹介させて頂いたベストにはそれぞれ、

機能性、デザイン性、

それらを重視しなくても後々スタイリングで発見する重要性、

ただスタイルとしてベストを着用したい訴求性。

 

「無くてもいいモノなのかもしれないけど、

有ったら無くてはならないモノに変容するモノ」

がこれらのベストには集約されています。

 

是非、各々の「ベストの余白」を楽しんで頂けましたらと思います。

 

 

商品のお問い合わせや、ご不明な点等ございましたら、

お気軽に店頭の方までお問い合わせ下さいませ。

 

 

-SISTER-

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